一般選抜倍率についての考察①

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 昨日、一般選抜の倍率に関して書きましたが、それについて少々思うところを追筆したいと思います。

 まずは、今年を含めた過去12年分の一般選抜における全日制トータルでの倍率の推移です。

2010年 1.16  2011年 1.17  2012年 1.15  2013年 1.20  
2014年 1.15  2015年 1.15  2016年 1.14  2017年 1.13  
2018年 1.13  2019年 1.10  2020年 1.03  2021年 1.04 

 ご覧の通り2016年辺りから小さく減少していき、去年(2020)、今年(2021)と大幅減少になっています。

 ちなみに2010年は一般選抜(当時は後期試験)の募集定員が4666名に対し、志願者が5482名と単純計算で816名が不合格になる計算です。これが今年2021年は、一般選抜募集定員4711名に対し、志願者が4904名と193名しか不合格にならない計算です。これはあくまでも志願者が各高校に均一にばらけた場合の話で、実際には全日制トータルよりも高倍率の高校では不合格者多く出て、定員割れの高校では定員が余ってしまうので、もっと不合格者の数は多くなります。上記の計算は、全日制トータルの数字のみを使い、単純に考えた場合です。

 じゃあ、この2年何故こんなにまで倍率が下がっているのか。「ここ2年」ってところが一つポイントになるかと思うのですが、2年前に始まったこと、それは「特別選抜」です。それまでの「特選抜」は、学力枠とスポーツ・文化枠があったので、誰でも受験することができました。つまり県立高校を狙ってる子には、2回チャンスがあったんですね。それが昨年度より入試制度の変更で、特別選抜はスポーツ・文化枠のみに縮小されました。結果として大半の子は一般選抜のみの一発勝負になった訳です。これにより、今まで以上に早々に県立高校を諦め、私立専願で進学先を決めてしまう子が増えたのではないかと思っています。ただ、特色選抜が始まったのは2011年度入試からで、2010年度入試までは、前期・推薦入試(前期は希望する高校のみ実施。この辺だと佐賀東、白石が実施)と後期試験という組み合わせだったので、今と同じく大半の子は後期試験の一発勝負だったんですよ。実質元に戻っただけのようなものなのですが、「一発勝負」に対して過敏に反応が出ているのが現状でしょうか。

 さらに加えると、2010年度から公立高校の実質無償化がスタートし、2014年に制度改正、さらには次年度よりさらに拡充され、支援対象となる世帯が増えることになります。上の表では2013年の1.20があるので紛らわしいですが、2010年段階で減少傾向が始まっていた可能性も見えてきますね。(あと5年分くらいデータがあれば、もう少し分かりそう)

 ここからは僕の本当に個人的な肌感覚なので、一切の論理的根拠も指標もないのですが…
無償化制度がスタートした近年、中学校で私立専願を勧められるケースが増えたように感じるんです。制度が無かった時には、おカネの問題もあったところが、万事とは言えないまでも半分くらいは解決しちゃうでしょうから、勧める側も勧めやすいし、勧められた側も決断しやすいってところはあるでしょうね。

と、一番書きたかったことにまだ辿り着いてないんですが、ちょっと長くなってきたので、続きは次回書きたいと思います。

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