時間や量じゃない勉強

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 受験生に特にお願い。

 昨日も書いた通り、今の時期成績が伸び悩んで苦しい思いをしてる子は多いと思う。そんな中、諦めたりすることなく邁進してる子の中には、焦りが勉強に現れちゃう子もいる。それにここに至るまでに正しい勉強が身についていない子もいる。それだとなかなか結果には繋がらないので、再度自分の勉強を振り返って欲しい。

 受験勉強するにあたって、肝心なのはやった時間でも量でもない。それにより何を得た(なにができるようになった)かだ。そこに意識が向かない限り、無駄になってしまう勉強になりかねない。いや、長い人生を見れば無駄なんかになるわけ無いのだが、今は近々の受験に向け「とにかく点数を上げたい!」それが望みだと思う。そうすると無駄だと言えることもある。

 過去問を解いた。マルをつけた。点数を出した。ここまでは、点数を上げるという意味では勉強ではない。あくまでも自分自身の現状の立ち位置を把握したに過ぎない。大事なのはここからだ。「復習しなさい。」とよく言われるかもしれないが、具体的に復習とはどう進めればいいのだろうか。その答えが「その勉強で何を得たか」である。その復習をしたことで、一体なにを身につけたのか、具体的に何ができるようになったのか、これが言えないようではアヤシイ。

 例えば、英語の過去問を解いて採点した後の話。

①とりあえず再度解く。

②分からない単語を調べて確認後、再度解く。

③分からない単語を調べてノートに書きだす。そのご再度解く。

④分からない単語を調べてノートに書きだし、さらには文法的に曖昧な部分は先生に訊いて、それもノートに書き記した。その後再度解く。

 さて①から④まであるが、どれが一番点数の上がる可能性が高いだろうか。
 ①は採点直後に解くことになるので、もしかすると実際に2回目を解いた時の点数は高くなる可能性が高いと思う。しかし、それっていうのは実力がついたというワケではなく、採点直後で答えを覚えていたに過ぎない。日が経てば点数は元に戻るだろう。なにせ得たものはゼロである。
 ②は①に比べれば知らない単語を調べた分、得たものはあるかもしれないが、それにしても一回調べた程度で頭に残るかと言われれば…う~ん、きっと難しいだろう。
 ③に関しては、調べた単語を全てノートに書きだした。今後復習し覚えていくための布石だ。ここまでやって満足してしまい、その後一切ノートを開かない子もいるので、先のことは分からないが、取り合えず先を見越した準備が出来ている点は評価できると思う。
 ④は指導者ありきの話になっているが、仮に塾などに通っていなくても、学校の先生に訊けばいいので、どうにかなる。〘英文法というのは、いわば家後の読み書きにおける規則、法律である。実際の法律が素人には難解なように、英文法に関しても、独力できちんと理解しながら学習を進めるのは、結構、高難度のことと思う。というのは、しっかりした参考書・文法書を読めば、文法用語が飛び交い、調べたこと側の項目に出てきた用語の意味が分からず、そっちを調べにまわり、そこでさらによく分からない文法用語にぶち当たり…となりかねない。逆に「簡単」を売りにした超初級者向けのものは、分かりやすくするがために、ややこしいところは省き、一見分かりやすいのだが、説明・理解の難しいところを省いてるだけに過ぎないことも多々ある。それだと「疑問文はAre you~」と丸暗記したような中途半端で逆に使えない知識(一般動詞に入っても頑なにAre you~を使い続ける子は多いんですよ)になりかねない。もちろん最終的には自分自身で調べながら進めるようになって欲しいが、中学生には結構なハードル。うん。やっぱり訊いてしまうのが一番だと思う。〙この④でももっとも伝えたいのは、「答えを見た結果、正解がこういう英文だというのは分かった。しかし、何で不定詞やねん、動名詞じゃアカンの?それにこっちはtheがついてんのに、何でこっちにはtheついてないん?」こういった疑問を抱き、解決しながら進んで欲しいということだ。そうでなくては解答を丸飲みしただけで、理解したとは言えないだろう。ソレって言うのは「再現性に乏しい」ってことだ。

 こうして例を挙げたように、「過去問の復習」と一言で言ったところで、それぞれのやり方で効果は全く変わってくる。効果的な勉強にシフトした結果として、勉強時間が伸びているのであればOKだが、ただやみくもに勉強時間だけが増えているような状態では、思うような成績の伸びは起こらないだろう。今一度自分の勉強を振り返って欲しい。

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