大阪都構想に考える

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 昨日、大阪市で大阪都構想に関する住民投票が実施され、微差ながら反対多数となったようですね。

 僕自身は大阪府民でも大阪市民でもありませんので、関係ないと言えば関係なのですが、今朝のニュースを見ていて気になったので少し調べてみました。その気になった今朝のニュースというのが、賛成派反対派の一般市民の方へのインタビューだったのですが

大阪都になったら税金がどのくらい安くなるのか、分からなかったので反対した。もっと具体的に教えて欲しかった。

大阪都になれば、税金が安くなると聞いたので賛成した。

 大雑把に書くとこんな感じだったのですが、コレを見てて「ん?都構想で税が安くなる?そんなことあるの?」って疑問が生じたので、少し調べることにしたんです。調べてみた結果が以下です。税のプロではありませんので、あくまでも素人に分かる範囲程度だという点にご了承ください。

 【結論】現大阪府制だと大阪市民が払うのは大阪府民税+大阪市民税。これが都構想を実現し、大阪市が特別区4つになると、特別区民が払うのは、大阪府民税+特別区民税。そして、現法制化(東京23区の場合ってこと)では、市民税と区民税は同率。つまり税額に変化はナシ。

 調べる前から、粗方の予想は立っていたのですが、住んでる自治体で税率が変化するなんてことはありませんでした。(少々補足するとそれぞれの住民税には、所得に税率を乗じて算出される部分(上記説明分)とは別に、全員が同額を支払う「均等割」というのがあります。ココに関しては、各都道府県や市町村が、多少ですが額を変更できるので、キレイに全国一律ではありません。しかしながら、その額は年間で数千円程度でした。)

 つまり、上記のインタビューを受けた人は根本的に勘違いしてるんですよね。大阪府でも大阪都でも、原則としては住民の負担に変化は無いんですよ。まあ、当然と言えば当然で、そんなことが可能なら、それに伴う住民の異動がもっと活発に行われているはずで、もっと話題になってるハズなんですよ。「ふるさと納税」の返礼品が一時かなり話題になりましたが、税率イジるって明快な技があれば、そんな煩わしいことしなくてもいいわけですね。ドンと上げて税収増を狙うとこ、逆にドンと下げて住民増を狙うとこが出てくるでしょう。

 ここからは、「大阪都構想」本体の話です。

なんで!?都構想が必要なん?【大阪維新の会】

今更聞けない「大阪都構想」【自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団】

 参考にリンクを貼っておきます。補足説明すると、上記が賛成派、下記が反対派のページになります。読んでいただければ分かりますが、基本的には同じ話のハズなのに、印象はまるで違います。まあ、作成者の意見が正反対なので当然ですね。

 これって、情報に疎くホントに真っ新な状態の人で、自分で調べたりするのが苦手な人は、最初に読んだ方がどっちなのか(最初に意見を聞いたのがどっち派の人か)で意見が180度変わっちゃうと思うんですよね。

 どちらの表記にも真っ赤なウソがあるわけではなく、同じ情報の見る方向が違うだけだと思うんです。見る方向が違うから、説明に挙げる具体例も変わるだけで。客観的根拠として数値も上げるわけですが、実際に実行してみないと分からないことなんてザラで、予測値は完璧なものでもないですしね。

 今は教科書にも「メディアリテラシー」とか「情報リテラシー」って言葉が載ってるんですが、本当に、自分が見たまんま、聞いたまんま鵜呑みにしかできないってことの危険性が増しているんだと思います。情報が溢れているのに、きちんと調べない人には一切情報が届かない。情報が溢れているだけに、精査が必要だし、さらには自分で考えることも必要性が増している。情報の格差は広がっている印象です。自分のなんとなーくの感覚だけで判断したり、人づてに聞いたことを鵜呑みにせず、自分で調べてみる。自分が見たまんま、聞いたまんま受け取るのではなく、どんなに魅力的な内容でも一旦は否定的に捉えたり、両方の意見を調べる程度のことは必要だと思います。

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