文章題苦手なんです!

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 小学生、中学生問わず、算数・数学で「文章題が苦手」という話はよく耳にする。そういう生徒の大半は問題文を読んでいない(問題文が読めていない)ことが原因だ。さらに言えば、そういうケースに直面した際に、「大事なところに線を引きながら読みなさい。」なんてアドバイスがよく見られる(僕もよく言っていた。)が、コレね、たぶん全く意味が無い。

 実際にそう指示してみて、生徒たちの問題文を見てみると、単純に数字のところに線が引いてあるだけだったりすることは、ド定番である。そして、まさにこれこそが文章題から立式できない主要因な気がしている。生徒たちにとって『立式とは、問題に出てきた数字を足したり引いたりかけたり割ったりすること』でしかないということが、一番おマズいのだ。もちろん数字自体が重要なのは違いないが、大切なのはその数字の表す「意味」や「関係性」の方だ。

 仮に『3』という数字が問題文に出てきたとして、それが3kmなのか3gなのか3円なのか3%なのか、それによって話は全然変わってくる。これが数字の持つ意味。3kmなのだとしたら、その『3』が意味するのは距離や長さだし、3gであれば重さ、3%なら割合だ。そういうことを端的に表すのが単位だが、その単位を適当に扱ってる子はものすごく多い。
 それに加えて数字どうしの関係性を考えなきゃいけない。3km(距離)と2時間(時間)が出てきたら、とにかく割ればいいと思ってる子も少なくない。そりゃあ、そういう傾向はある。特に易しめの問題ならそれだけで9割方正解してしまう。だからと言って、それでいいわけでは無いし、それでは到底正解できない問題だってある。そりゃそうだ。3kmはAさんの歩いた距離で、2時間はBさんの昼寝した時間かもしれない。いつも自分が勝手に想定する関係性だとは限らない。

 この関係性などは、問題文の場面を想像しながら読むと受け取りやすいのだが、この「想像する」ってのが苦手なのだろうと思う。その証拠に問題文に付随する図やグラフ(問題文を読めば分かることを端的に表したもの)を消すと、それだけで正答率はグンと下がる。一般的な小中学生には、文字情報だけでこういった情報を頭の中で想像したり整理することは難しいのだ。だから、こういった情報を整理するために、表や線分図をかくことを推奨するが、まあ書かないし、仮に書いていても、考えてるのはせいぜい数字の意味までで関係性には無頓着なままのことが多い。本人がその重要性を理解しない限りは、表面を真似るだけになるのは、これまでにも何度も書いた通りだ。

 できない原因も分かっているし、改善に向かう手立てもおおよそ頭にあっても、実際に実践するのが自分でない以上、100%確実に改善することは難しい。もどかしい限りだが致し方ない。これは勉強に限らず、そうだろう。ココが難しいところだ。授業中に何度も指摘し提案して、こういうところにも書き続けて、いつの日か本人が気づくのを待つしかない。

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