コツっ
コツっ
バンっ!バンっ!
バンっバン!!
生徒の帰った深夜。何度も何度も窓を叩く音。しかも段々と激しくなっていく。
ん?こんな遅くに誰だ?生徒は皆帰ったはず・・・
いや、待て。そもそもここは2階。窓を外から叩くなんて・・・
(強めてもいないエアコンの冷気を強く感じる)
誰もいない深夜の学校や病院は怖さが滲んでいるが、何もそんなところじゃなくても、深夜に一人は怖い。
さっきまでとは、打って変わって静寂が辺りを包む。何だったんだ…
バキっ
エアコンの冷気で冷やされた木製の机が急に軋む。
普段なら気にも留めない出来事が、恐怖を増幅させていく。危うくギックリ腰にでもなりそうなほど『ビクッ』としてしまった。自分1人しかいないはずの建物の中で、急に音が鳴るのは怖い。これにはホリエモンだって「想定内です。」とは言えないはずだ。(ネタが古い)
コツっ
コツっ
バンっ!バンっ!
バンっバン!!
まただ。再び窓を叩く音。
やめてくれ。こっちは1人きりなんだ。
ビクつきながらも、少し頭の中が冷静になっていく。
いや、この状況、1人でよかったかもしれない。大の大人がこんな物音一つにビビってる姿は、とても生徒達には見せられない。もうちょっとコーヒー飲み過ぎてたら、カフェインの利尿作用に負けてたかもしれない。そうなりゃ笑い話じゃすまないゼ。きっと来週には誰も生徒が来なくなる。それはそれで背筋がゾクゾクする話だ。とにもかくにも、この建物内にいるのは僕一人。仮に何があっても誰にもバレやしない。ちょっと一安心。
バンっ!バンっ!
窓を叩く音がさらに激しさを増す。
僕は基本的に非科学的なことは信じない。幽霊やお化けなんてもちろん信じない。
強盗か?いやいや、いくら強盗でも押し入る先は選ぶはず。もう少しお金のありそうなところを選ぶだろう。第一、強盗は電気のついた部屋をノックしたりしない。そんなお粗末さんは、とっくに刑務所の中だろう。
さっきも言ったが、僕は基本的に非科学的なことは信じない。幽霊やお化けなんてもちろん信じない。でもそれは、見たこと無いから、経験したことないからだ。実際に経験してしまうと信じざるを得ないかもしれない。
もはや、幽霊以外に考えられないじゃないか。他にどんな可能性がある?
外にいるはずの何かに悟られないようにそっと椅子から腰を上げ、窓に近づく。このまま震えててもしょうがない。怖くて早く帰りたいのに、帰ることさえできないじゃないか。こうなったら窓を開けるしかないんだ。
ゴクッ
自分の生唾を飲む音が聞こえるなんて、マンガの中だけの話かと思っていた。
こうなったら一思いに窓を開けてやる。仮に幽霊だとしても食われたりはしないだろう。でも、幽霊だったら教室は移転だな。
窓にかけた指先が自然と震える。
クソっ、ほんの数分の出来事なのに時間がものすごく長く感じる。いったいどれだけの時間、僕はキーボードを叩いてるんだ。(ソッチ?)こりゃあ、山王戦(スラムダンク25巻~31巻参照)に並ぶ大作が書きあがるぞ。直木賞と芥川賞が発表されたばっかりって時に。もう少し早けりゃ、オレの人生変わってたかもナ。
震える右手を左手で押さえ、力を込める。
一気に窓が開く。
「誰だっ!!」
一瞬、目の前を何かが通り過ぎる。
思わず一歩下がる。
窓の外は真っ暗闇。そりゃそうだ。ここは2階の窓、しかも深夜。
窓を閉め、振り返って辺りを見回す。
誰もいない。さっきのは何だったのか。見間違いか。それとも・・・
誰もいない。そう思った。そう思った次の瞬間。目の前の棚の上で何かがうごめいているのが視界の隅に入る。
「カブ、お前だったのか。窓を叩いていたのは。」
カブは、角を振り上げ、うなづきました。
人間界に先んじて昆虫界のGoToキャンペーンは始まってるらしい。

あまりにイキがよく写真がブレブレ
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