2歳3歳の子に「どうせ将来的には乗ることになるんだから、イキナリ自転車(補助輪ナシ)に乗ろう!」と練習させることは少ないだろう。最初はこけないように、三輪車か、せめて補助輪付きの自転車で練習するはずだ。
少々動きが違うので、三輪車は自転車というよりはオモチャに近い気がするが、補助輪付きの自転車を間に挟むのは、「こぐ練習」なのだと思っている。
自転車に乗るには大きく二つの動作を同時にやらなければならない。1つが自転車をこぐこと。そして2つ目はハンドルでバランスを取ることだ。この同時に2つのことをやるのが難しい。
ハンドルに集中すれば、こぐ方が疎かになり、スピードが落ちてバランスを取ることが難しくなりコケる。逆にペダルに集中すると、今度は前が見れなかったり、力の入り過ぎで、まっすぐ走れず、これまたコケる。この両立ができることが自転車に乗れるということだろう。
で、2つを同時に仕上げるのは難しいから補助輪付きで、まずはこぐことに慣れてもらう。頭を使わなくても自然とこげるように、体が慣れたら、補助輪を外し、バランスを取る練習だ。
こういう風に段階を踏んで1つずつクリアしていくのは、勉強も同じである。新しく習ったことに集中できるのは、これまでに学習してきたことに脳の容量を割かずにやれるようになっているからこそだ。そうでなければ、これまでにはやらなかったような、しょうもないミスがポンポン飛び出す。
簡単だからとナメてかからない方がイイ。簡単なうちに丁寧に取り組んで、頭の中に設計図的なものを構築しておいた方がイイ。簡単なうちに練習量をこなして脳にしっかりと覚えこませた方がイイ。それが脳の負荷を減らすコツだ。
人それぞれ、耐えうる負荷の大きさは違うだろうが、中学生くらいだと案外小さな負荷で、ミスが増えたり(表面上できてるっポクても、実際にはできていない状態に陥る)してしまう。簡単なうちにしっかりと脳を使うこと(何も考えず、手順を繰り返すだけの勉強をしない)。そして簡単なうちに、目に見えない脳内ではなく、目に見えるノートの上でしっかりと形にしよう。そこで土台ができていてこそ、いざというとき脳内だけで再現できるようになる。
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