新しい佐賀県立高校入試制度を分析してみる

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 佐賀県立高校では、令和2年度の入試から制度が変更されます。このこと自体は春先にはアナウンスがあってたことなので、今更感満載ですが、ちょっと詳細を分析してみようかと思います。分析とは書いてますが、易しく解説に近いかと思います。

 昨年度までとの比較

 今年度(H31年3月実施)まで→2月上旬『特色選抜』3月上旬『一般選抜』
来年度(R2年3月実施)から→2月上旬『特別選抜』3月上旬『一般選抜』

 特色と特別、名称は似てますが、内実は大きく変更されてます。名称の変更の無い一般選抜も内実には変更アリです。

特別選抜

 まず、今年度までの『特色選抜』学力枠部活枠(スポーツ・芸術)がありました。各校各学科定員の20%程度を、この特色選抜で採っていました。定員の20%しか合格者が出ないところに、ほぼ全員が受験してましたので、平均倍率が4倍強。低いところでも3倍台と狭き門でしたね。

 次に来年度入試から実施される特別選抜について。こちらは単純に言っちゃうと部活枠(スポーツ・芸術)のみになりました。各校指定の競技でしか受験が出来ません。各校の募集詳細はコチラ
試験当日は学科試験と実技試験の両方が実施されます。学科試験は国数英の3科のみで、1科目25分の試験です。配点は各校違いますが、おおよそで言うと「学科:実技:内申面接=3:5:4」程度です。コレだけ実技と内申面接の配点が高いと、学科はお気持ち程度でしょうね。実際には各競技における実績・実力で合否が決定すると思って間違いないでしょう。

 さて、ここまでをまとめると、これまでは学力枠があったので全員が受験可能でしたが、今度の入試からは各校指定のスポーツ・芸術の実技というのが必ずついてきますので、特別選抜の願書を提出できる子の方が少ないでしょうね。しかも各競技とも募集が2名~4名程度(なかには15名なんてのもありますが)なので、仮にその競技をやっていたにせよ、中学時代に県の選抜に選ばれていたとか、相当の実績が無いと厳しいことが予想されます。ということは、この特別選抜』は多くの子にとっては、有って無いようなもの。実質は『一般選抜』の一発勝負ということです。

 『特別選抜』まとめ
学科・実技試験+面接

募集はスポーツ・芸術枠のみ(各校指定)
定員は各種目2名~4名程度
受験できる子がかなり限られ、多くの子には一『般選抜』の一発勝負に。

一般選抜

 一般選抜に関しては、これまで同様に、2日間の日程で各教科50分の学科試験が5教科+面接となっています。しかし、合否判定を行う際に、選考Ⅰ選考Ⅱという2種類の選考方法を採用しています。
 単純に書くと選考Ⅰ=内申書重視」、「選考Ⅱ=当日の学科試験重視」といった感じです。まず、選考Ⅰのふるいにかけ、その後選考Ⅱのふるいにかけて全合格者が決定するという2段階の選考方式になっています。

 これも各校によって差はありますが、おおよその感じで書くと、選考Ⅰでは、「学科(当日の試験):内申面接=1:1」程度。選考Ⅱでは、「学科(当日の試験):内申面接=5:2」程度です。これまでの特色選抜学力枠が、一般選抜に移ってきたような感じですね。

 これに加え、一般選抜では『追検査』が実施されるようになりました。『追検査』とはインフルエンザ等の理由で当日受験が出来なかった子のための試験です。これにより、合格発表や試験実施日等にも多少変更が出ています。

『一般選抜』まとめ
試験内容はこれまで通り(学科5科+面接)
選考が2段階に
選考Ⅰ=内申重視
選考Ⅱ=本番学科重視
追検査が実施

日程

 『特別選抜』
願書提出 … 1月30日31日
試験   … 2月6日
合格発表 … 2月13日
『一般選抜』
願書提出 … 2月18日19日
志願変更 … 2月25日26日
試験   … 3月4日5日
追検査  … 3月10日
合格発表 … 3月12日

最後に

 ここからは私見です。

 保護者様との面談でも、一発勝負を気にされる(心配される)方は多かったです。しかしながら、これまでも特色選抜は「練習」みたいなもので、なかなか合格するのは難しい試験でした。まあ、これまでも実質一発勝負みたいなもんでしたね。ですから、特に制度変更があったから、倍率が~とか、志望校を~とかっていう心配は必要ないと思います。たぶんこれまで通りです。
 今からできる準備としては、学校のテストや模試、私立入試で、しっかりと本番を意識した「練習」をしておくことです。試験当日は、緊張するなという方が無理なので、緊張することを前提に、準備しておくべきでしょう。「緊張で実力が出せない」の典型パターンは「解答欄のズレ」と「時間配分ミス」ですね。この2つに関しては、大ダメージになりかねないので…
 解答欄のズレに関しては、マークシートではないので、途中で気づけると思います。あえて言うなら、大問ごとに確認すれば大ごとにはならないでしょうし、問題用紙の方にも答えを書き込むようにしておけば、どこからズレたかの判断は楽になります。
 時間配分に関しては、配分というより入り込み過ぎて時計を見なくなってしまうのが原因であることが多いので、手元(机の上)に時計を置くこと、普段から(過去問演習などで)時計を見る(時間をはかる)こと、くらいでしょう。「〇分たったら飛ばして次の問題へ」と前もって決めておくなどもいいかもしれませんね。

 もう一点、気になってるのは、各中学の年間行事予定を見ると、今年の卒業式の予定は3月13日なんですよね。合格発表の次の日…これまでは、卒業式後に合格発表でしたから、顔を合わせたくない場合はソレが出来たんですが、今年は…ヘタすると、卒業式に出ない(出られない)子が出てきますよね。発表の翌日ですからね。これはさすがにどうなの?って思いますね。卒業式より前ってのは別にいいと思うんですよ。東京なんかは2月中に入試終わっちゃいますから、他県では当たり前だったりします。ただ仮に卒業式前であっても、1週間くらい間があれば心の整理もつくと思うんですけど、翌日ですからね。泣きはらした顔で卒業式には出たくないでしょう。この点は一考が必要だと思います。

※各中学の卒業式日程が変更になったようです。(2019.11追筆)

R2年度 佐賀県立高校 入試要項

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